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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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コミック

【新着記事】 かわぐちかいじ『イーグル』 - アメリカ大統領選を駆ける青年記者の物語

皆さんこんにちは。先週はスーパーチューズデー、アメリカの政治が最も熱くなる時期でした。この機会に、政治の舞台を背景にした熱いドラマを描いたかわぐちかいじの名作「イーグル」についてご紹介します。1998年から2001年にかけて連載されたこの作品は、…

【書評】「漫画というものの本質を、ズバリひと言でいうと、なんでしょう」「風刺ですよ」『マンガの描き方―似顔絵から長編まで』

本誌は1977年初出のものを文庫化したもので、何故今更読んでみたのかと言うと、手塚治虫自体がどういう具合に創作しているのかが知れるであろうと思ったからだ。漫画の神様の作品作りとは一体どんなものだろうか? そういう次第。まえがきで、「この本は、い…

【書評】「次に人がよりどころにするフィクションは一体何か」『まんがでわかるサピエンス全史の読み方』

幸せは虚構(フィクション)の先にある。 人類の繁栄は、人がフィクションを信じることができた(認知革命)ことによると筆者は主張する。人が信じるフィクションとは、神話や宗教、法律、国家、貨幣などを指す。これら実体がないものを信じることで高度な分…

【書評】手塚治虫のライフワーク、その最後のエピソードは1000年の恋。『火の鳥 太陽編(上中下)』

1986年から1988年にかけて小説雑誌の『野性時代』に連載された第12部は、作品として発表されたものとしては最後のエピソードで、実質的なシリーズ最終話となっている。これまで各話毎に表現方法や作風、火の鳥の扱い方など様々な変化や工夫を凝らしてきてい…

【書評】生命を弄ぶ者へ訪れる悲劇の中篇二作。『火の鳥 宇宙・生命編』

『宇宙編』は第4部で、『ヤマト編』と『鳳凰編』の間に、『生命編』は第10部なので、『乱世編』と『異形編』に挟まれている作品だ。作品発表順に読みたいこの身からすれば、どうにも少々意地悪な編集である。例え作品間の関連性が殆ど無く、作風もそれぞれで…

【書評】国際的陰謀と文化の交差点:さいとう・たかを『ゴルゴ13 第192巻「軍隊を持たぬ国」』

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」の192巻「軍隊を持たぬ国」は、スリリングな展開と深い洞察力で読者を引き込む作品です。 「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドという軍隊を持たない国を舞台に、中国人実業家による大規模な土地買収を描いています。中国…

【書評】国際的陰謀と文化の交差点:さいとう・たかを『ゴルゴ13 第192巻「軍隊を持たぬ国」』

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」の192巻「軍隊を持たぬ国」は、スリリングな展開と深い洞察力で読者を引き込む作品です。 「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドという軍隊を持たない国を舞台に、中国人実業家による大規模な土地買収を描いています。中国…

【書評】2人目のタイムリーパー『サマータイムレンダ(7)』

『サマータイムレンダ』はループものの謎解き物語だ。主人公だけがリープしていると思いきやなんと他にもタイムリーパーがいた。 『サマータイムレンダ』らループもの、青春ものの謎とかな物語だ。主人公達がいる島には影という存在がいる。影を見ると死ぬと…

【書評】位置データと思考データが見えれば・・・『トリリオンゲーム(8)』

本作はカリスマと天才プログラマーがタッグを組んで一兆円企業を作るまでの物語。今回出てくるビジネスは新しい通信事業者への参入。 主人公達のライバルである桐姫が仕掛けてきたのは一緒に通信事業者にならないかという話。主人公達はトリリオンTVがあるた…

【書評】むなしい。権力はむなしいものよ。『火の鳥 乱世編(上下)』

第9部は12世紀末、平安時代の終わり頃の時代を描く。作中では『鳳凰編』の我王のその後も描かれている。我王は、居座った権力の座はいずれのっとられる定めと、その冷酷さをむなしいと嘆く。その言葉の通り、本作では物語の前半こそ平清盛が絶対的な権力を振…

【書評】韓非子編、そして『キングダム70』

中国の春秋戦国時代を舞台に戦災孤児から天下の大将軍を目指す信と後の始皇帝嬴政を中心とした歴史漫画。 実際に戦国時代を代表する法家(法律を重視する学者)で有名な本も残している韓非子。キングダム70巻ではその韓非子を秦の国に招くことになるのだが、…

【書評】はい、今、未来から戻ってきました『サマータイムレンダ(6)』

『サマータイムレンダ』6巻。とうとう影が仲間になり影を倒せるかと思ったが、影にも人間の仲間がいたとは!というのが6巻。そう簡単には影は倒せない。 『サマータイムレンダ』はループものの謎解き物語だ。さらには青春ものときている。ループ謎解きと青春…

【書評】影が仲間になった!『サマータイムレンダ(5)』

『サマータイムレンダ』もとうとう5巻。前巻ではループしてきた影の潮が仲間になったが。潮の記憶が本巻では戻りめちゃくちゃ頼もしい仲間が増えた。 『サマータイムレンダ』はループものの謎解き物語だ。さらには青春ものときている。ループ謎解きと青春が…

【書評】潮もタイムリープしてきた!?『サマータイムレンダ(4)』

青春タイムリープ謎解き物語の『サマータイムレンダ』も4巻だ。スタートはヒロインの潮がタイムリープしてくるとこから始まる。しかしその潮は殺さなければいけない影だ。しかし、なんか雰囲気が他の影とは違う。 『サマータイムレンダ』はループものの謎解…

【書評】とうとう役者が揃った!『サマータイムレンダ(3)』

『サマータイムレンダ』も3巻今回は南雲先生視点で物語が進んでいく。とうとう物語の役者が揃ったと言える巻だ。2巻までを読み直すとまた違った視点で物語をみれる。 『サマータイムレンダ』はループものの謎解き物語だ。さらには青春ものときている。ループ…

【書評】かつて逃れたはずの地球。郷愁は募り、苦難の旅を経てでも人々はそこに戻ろうとする。『火の鳥 望郷編』

第8部『望郷編』は、STUDIO4℃によって『火の鳥 エデンの宙(そら)』としてアニメ化され、2023年9月にディズニープラスが世界独占配信し、且つ、同年11月には『火の鳥 エデンの花』というタイトルで映画も公開された。タイトルが異なるのは、ラストが違う作…

【書評】謎が少しずつわかってきた!『サマータイムレンダ(2)』

『サマータイムレンダ』はループもの青春漫画だ。一巻では影という謎の存在があったが、2巻では影の存在がなんとなくわかってきた。物語はどう動き出すのか。 この世界では影と呼ばれる人間のコピーが存在する。また、影を見る死ぬと言われている。 主人公に…

【書評】スポーツ漫画の金字塔『SLAM DUNK』

本書は『週刊少年ジャンプ』で1990年から1996年まで連載された、井上 雄彦による日本の代表的なスポーツ漫画である。物語は、不良高校生・桜木 花道が、恋愛の動機からバスケットボールに挑戦し、やがてその魅力に取り憑かれていく様子を中心に描かれている…

【書評】ループが好きな人に!『サマータイムレンダ(1)』

『東京リベンジャーズ』、『シュタインズゲート』などループ謎解き物語はいつも人気だが本作もまた、謎解きループものである。好きな人は是非読もう! 『サマータイムレンダ』は、和歌山の離島での物語だ。主人公は幼馴染の少女が亡くなったことを聞き離島に…

【書評】人間とロボットの境界を曖昧とさせる長篇と、奇妙な短篇の取り合わせ。『火の鳥 復活・羽衣編』

第6部は西暦2482年の未来を描く『復活編』。エア・カーから一人の少年が墜落死した。内臓は破裂、骨は砕け、もちろん即死だった。しかし物語はここから始まる。少年の名はレオナ。彼が目を覚ました時、視界は完全に異様なものになっていた。縞模様だけの世界…

【書評】生きることの意味とは? 輪廻転生とは?『火の鳥 鳳凰編』

シリーズ第5部の『鳳凰編』は第2部以来になる長篇作であるが、火の鳥は長篇作の方が評価が高い様に思う。本作はその中でも特に人気があるのではないだろうか。個人的にもかなり面白い作品と思っている。 舞台は8世紀、奈良時代の日本。シリーズを通して重要…

【書評】古墳時代と乱世の日本、そんな中篇二作のセット。『火の鳥 ヤマト・異形編』

ヤマト編が第3部、異形編は第11部となる。ページ数の組み合わせやら何やら編集上の事情もあるのだろう。発表順にして欲しいところだが、読んでしまったものは仕方がない。後で作品の順番を脳内補正しよう。ヤマト編で描かれるのは4世紀頃、古墳時代の日本。…

【書評】とうとう隠し子が社長に『社外取締役 島耕作(3)』

『課長 島耕作』から始まった島耕作シリーズ現在はテコットも退職し、社外取締役として活躍している。現在は次期社長を決めるお家騒動に巻き込まれており、隠し子がとうとう社長に就任した。 話は複雑だ。島耕作が社外取締役を務める会社では次期社長を考え…

【書評】でも今度こそと火の鳥は思う。今度こそ信じたい。『火の鳥 未来編』

3世紀頃の邪馬台国の時代を描いた第1部『火の鳥 黎明編』に続く本作第2部は、西暦3404年の超未来の世界だ。火の鳥は一作毎に過去と未来を交互に描き、そして次第にその振り幅を狭めていって、最終話は現代へと辿り着くというのが手塚治虫の構想であったのだ。…

【書評】口からウソがスラスラ出てくる。『15歳、プロ彼女~枕営業してた元アイドルだけど質問ある?』

有名人、俳優IT社長、AV堕ち。本作品は元アイドルが語る芸能界の裏事情ががわかる一冊である。 15歳アイドルがよくわからないままタワマンに呼び出された。中には業界の有名人や、有名俳優が集まっていた。あの有名俳優もこんなとこをするんだと思い、お金を…

【書評】口からウソがスラスラ出てくる。『15歳、プロ彼女~枕営業してた元アイドルだけど質問ある?』

有名人、俳優IT社長、AV堕ち。本作品は元アイドルが語る芸能界の裏事情ががわかる一冊である。 15歳アイドルがよくわからないままタワマンに呼び出された。中には業界の有名人や、有名俳優が集まっていた。あの有名俳優もこんなとこをするんだと思い、お金を…

【書評】フリーダムフレンドの日常『こういうのがいい 2』

したい時に、したい事を、したい人と。とに書く相性の良いフリーダムフレンドになった。2人、1巻に引き続き2巻では2人の日常が描かれる。 主人公の2人はメンヘラな彼氏彼女と別れたところだ。恋愛に嫌気がさしたところでとにかく気が合い仲良くなった2人。会…

【書評】これがいっちゃん最初の火の鳥。『火の鳥 ギリシャローマ編』

随分と前に、『火の鳥 黎明編』の書評を書いたことがあり、その際に火の鳥のシリーズ全体についての感想もざざっと大雑把に書いたのだったが、改めて他の編たちについても一作毎に書いていってみようかと思う。と言うのも、最近『火の鳥 望郷編』が『火の鳥 …

【書評】これがいっちゃん最初の火の鳥。『火の鳥 ギリシャローマ編』

随分と前に、『火の鳥 黎明編』の書評を書いたことがあり、その際に火の鳥のシリーズ全体についての感想もざざっと大雑把に書いたのだったが、改めて他の編たちについても一作毎に書いていってみようかと思う。と言うのも、最近『火の鳥 望郷編』が『火の鳥 …

【書評】黒手塚漫画の代表格か。『奇子』

「黒手塚」漫画の神様 手塚治虫の作品群の一部はそう呼ばれている。人間の暗黒面を描くシリアス作品を指すのだが、その中でもトラウマ級の作品の一つが、1972年1月25日号から1973年6月25日号まで『ビッグコミック』で連載された『奇子(あやこ)』だそうだ。…