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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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笑えて、ためになる『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』

この本の出版社は手帳で有名な高橋書店。見たところ、漢字にふりがなが振ってあるので、小学校低学年向けの本だが、大人でも笑える、ざんねんな体や生き方、能力を持った生き物たちが登場する。それが1生き物につき1ページでまとまっている(見開き1ページの生き物もある)ので、どこからでも手軽に読み始めることができる。

この本の面白いところ。それは、とにかく生き物ごとの見出しがとても笑えるのだ。ふと気付くと顔がニヤニヤしている。だから、電車の中など人前では読まずに、自分ひとりのときに読むことをお勧めする。

中でも、サイの角についての説明が笑ってしまう。見出しが“サイの角はただのイボ”なのだ。絶滅の危機にあるサイ。この本では、そのサイの角をシカやウシのようにカルシウムでできたものではなく、皮膚の一部が固まった、ただのイボだと紹介している。さらに追い打ちをかけるように、“ありがたがって漢方薬にしても、そのへんのおじさんの爪をせんじて飲むのと大差ありません”と言い切ってしまうのだ。おじさんの爪・・・これにはかなりニヤついた。

本当はもっと紹介したい生き物がたくさんいるのだが、止まらなくなってしまいそうなので、見出しだけでもいくつか紹介しよう。“ゴリラは知能が発達しすぎて下痢ぎみ”、“バクはおしりを水につけないとうんこが出ない”、“ハダカデバネズミはおしっこをかけられると子どもがうめなくなる”など、下痢、うんこ、おしっこと少し私の選び方が偏っているようだが、これ以外にも笑えて、少しためになる生き物たちが登場する。

このような調子で、たくさんの生き物が紹介されているが、なぜそのような進化をしてしまったのか、その謎について考えてみるのも面白い。

そして、読後には自分が少し物知りになったように思うのだが、ざんねんなことに、大人相手に話すことは少ないと思われる。しかし、幼稚園児や小学生など子どもが相手の場合、目を輝かせながら、話を聞く彼らの姿が想像できる。物知りな大人として尊敬されることだろう。

また、難しい本ばかりが続き、読書に疲れてしまったときに読む一冊としてもお勧めである。ざんねんな生き物たちを思い浮かべ、ニヤリとしてほしい。