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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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あだち充の真骨頂!隠れた名作『ラフ』 著者 あだち充

あだち充と言えば『タッチ』や『H2』『みゆき』等多くのヒット作を生み出す日本を代表する漫画家です。

『ラフ』という作品は『タッチ』や『みゆき』に比べてあまり有名ではありませんが、私はこの作品があだち充の最高傑作だと思っています。

『ラフ』はあだち充作品の中では珍しい水泳漫画です。
主人公である大和圭介は競泳の実力者。しかし、本人には人を押しのけてまで勝つ意思というものがなく、そのせいか全国大会では万年3位。
そんな中、高校生になった圭介は飛び込み選手の二宮亜美という少女に、出会い頭に「人殺し」と言われてしまいます。その二宮亜美は圭介の家の和菓子屋「ヤマト」のライバル店である「ニノミヤ」の一人娘でした。最悪な出会いから始まる2人の青春熱血水泳漫画がこの『ラフ』という作品になのです

この作品があだち充最高傑作と思う、最たる理由は「演出」にあります。

あだち充はコマ割り、間の使い方、台詞回しを含む「演出」が特に光っている作家だと思っていますが、この作品はその全てにおいて完璧です。
特に最終話は、敢えて答えをハッキリとは描かず、しかしモヤモヤとした違和感は残さないで読了後の後味が凄くスッキリとした爽やかなものになるように考えられて「演出」されています。

最近の漫画は1~10まで何もかも詰め込みすぎてるものが多いと思います。そういう漫画はどうしても余裕がないように見えてしまい、作者の想像の範囲の物語しか伝わりません。
しかしこの『ラフ』という漫画は読者の想像力に物語を任せ、読者を信じ物語の可能性が広がる「演出」がされているのです。

もし、「読者を信じる漫画」を読みたいと思うのなら、必ずこれを読むことをお勧めします。